前回のつづき。
旧家 小机邸内にある喫茶室『安居』へ。
扉を引くと、
喫茶室、あらわる。
あたい好みの、音楽のない邸宅カフェ。
「品のよい親戚の家」みたいなしっとり感。
もしあたいがいつか自宅カフェをすることがあるなら
たとえばストーブに掛けたやかんのシュンシュン音を消さない
声のボリュームを調節できる人だけ来てほしいなぁ。
音楽なんか(なんか?)無くたって、
古いガラス板が風で揺れる音だったり、
鳥が鳴いたり、床がきしんだり、
そんな音を聴くのが良かったりするわけで、
ガハハハとオシャベリしたいなら
カラオケやコメダにでも行けばいいのであーる。
なーんてね。(←この一言で、クレームを回避する作戦)
昔、一緒に音楽をやっていた荒井豊さん(ハンマーダルシマー奏者)が
「無音よりも静かな音楽をやりたい」と作ったCDが
たしかに無音よりも静かなアコースティック音楽だったなぁ。
それから『無音』と同じくらい大切なのは
明るくしすぎないことだと思う。
曇りの日は薄暗さを楽しむ。
雨の日の 昼間の薄暗さなんて最高だ。
▼窓の外に「あ、ネコさん」。
▼あたいはお抹茶を。
黒糖すぎない甘さが気に入って、マダムにお尋ねすると
しずく姐さんも知る青梅の和菓子屋さんの羊羹でした。
▼しずく姐さんはベイクドケーキのセット。
キレイにカットされた品格のあるフルーツが素敵♪
ウサギクイズを出された御当主さまのお手製ケーキだそうです。
こちらの喫茶室の名前は『安居(あんご)』。
静かで品のよいマダムにお話を伺いました。
「安居」というのは釈迦の時代の僧侶たちの仏教用語で、
ざっと説明すると各地の僧侶たちが一カ所に集まって修行する合宿といったことらしいです。
雨の降る時期の安居は『雨安居(うあんご)』、
夏の安居は『夏安居(げあんご)』っていうんだって。
なに、この、語呂の良さと、表記のカッコよさ!
あぁ、あたいがいつかまた(また?)名を名乗るような
暮らしに戻ったときの芸名候補にいれよう。
「どうも。美人写真家のU・ANGOです」的な?
で、amebaの公式ブロガーになって
「雨安居日記~丁寧に暮らす~」
みたいな? (#^.^#)ゞバーカ
あ、で、話をもどし、安居(あんご)の意味として、
”外での修行をやめて室内にこもることにより
足元の小さな花や虫を踏みつけてしまう無用な殺生を防ぐこと”
ってのがあるんだって。
マダムはそこから広義に解釈して
”室内で静かに過ごすこと”や”静かな場所”として
こちらの店名にされたのだそうです。
そーいえばお屋敷の前に建つ▼この看板文字、
マダムが書いて、ご当主が彫られたのだそう♪
などとお話を聞いたのち、
本日たまたま御在宅中のご当主に
建物をご案内していただけることになりました。
▼たとえば、こちらの和室の右奥にある屏風のおはなし。
いにしえのある日、こちらのお屋敷に集まった
酒飲み7人がそれぞれ絵と文字を書いたのだそうで。
7つの絵と7つの文章(漢詩など)。
絵も、文字も、全体のバランスもいいし、
たぶん書いてある詩の内容も上手いこと書いてそうだ。
たまたま飲み会に集まった7人が▼このレベルって
す、すごくねぇですか?
当時、文化サロン的役割も持っていたのでしょうかねぇ。
あたいもいつか自宅でチーパーチーするから、
そのときのために皆んな今から
絵(ボタニカルアート)とカリグラフィーを習得しといてね~
(´▽`*)\(-""-;) 誰に言ってんだか......
▼唐紙は銀杏。植物柄をモチーフ。ウィリアム・モリスみたい?
アンティークな電灯に
本物のフィラメント電球が使われておりますのです。
カインズホームの人気商品『LEDフィラメント電球』じゃなく、
エジソンのフィラメント電球ですよ~
乳白色のすりガラスから▼ほら、こんなふうに
フィラメント部分が熱色に見えて。レトロでやわらかな灯り。
▼ということで、いにしえと同じ灯影を観賞できるのであーる。
ありがたや~
(つづく) 次で終わり