2016年2月24日水曜日

カメラ遠足(5)津雲邸~青梅駅へ


(これまでのつづき)

さて、いよいよラストは『津雲邸』。

戦前戦後に活躍した代議士・津雲圀利氏の私邸だったそうで
昭和初期の名建築とのこと。





ちょうど、津雲邸所有のお雛様の展示がされていました。




貴重な雛人形たちが
贅をつくしたお屋敷のなかに
センスよく展示されています。


立ち雛は、以前、三井家のおひなさま(三井記念美術館)でも
拝見したことがあるのですが
こちらのものはより古そうな佇まいの、
よいお顔の立ち雛でした。


お雛様のお道具類は
蒔絵に、象嵌に、螺鈿に、ギヤマンに、
どれも素晴らしい出来栄えの逸品ばかり。


10cmほどの、小さな箪笥1つが
今でいう「家1軒たつほどの値段」だったそうで
それがズラリ~と。。。 ひょえぇ~でございます。


貴重なおひなさまは撮影不可でしたが
建物などは許可をいただいて撮影させていただけました。

これもしずくさんのおかげ♪
(津雲様も、しずくさんの写真の腕前をご存知なのです)



▼景色のある中庭。





▼カニやスッポンの美術品が
水辺で遊ぶかのごとく置かれています。大人カワイイ。



似たかんじの蟹の塑像を
どこかの美術館で見たことがあったけど
誰の作だったかなぁ?

ガラスケースのなかで蛍光灯に照らされて
展示されているよりも
こんなふうにお庭でめでる方が断然ステキだよね。


お屋敷の中には
あちこちに季節のお花が飾られています。

▼この片側を流すかんじ、粋ですね。





▼デンファレ、かな? あふれるように、贅沢に。





▼階段には、一つ一つ違う陶器に
お花が生けられてました。
すべて違うのに、すべて黄色い花で統一されてるの!






▼モクレンのつぼみがもうこんなに膨らんでる。
(うちのはまだ、ぜんぜん)

屏風も木蓮つぼみも
光のあたり方で金色に見えたり、銀色に見えたり。
世界観が一致していました。





▼その前に置かれたお琴。この龍頭の細工、すごっ。

蒔絵! 象嵌! 螺鈿! 彫刻!
そしてこの木目ときたら!

以前、アコースティックギターの周囲に
螺鈿細工が施されたものが200万円だと聞いたことがあったけど
このお琴はそんなどころじゃないんでしょうねぇ。。。(;^ω^)ゞgesewa






▼ちょっとした明かり窓にも、家紋の蝶が抜かれています。





▼どのお部屋の灯りもイイ!






▼貴重な、古いガラスの歪みが
庭をゆらゆらと美しく映します。




▼奥の間の 静かな一角。

火は点いていなかったけど、
炭が小さく爆ぜる音を聞いたり
鉄瓶がシュンシュンと沸いたりなんて時間は贅沢ですね。




以前読んだ、アメリカ人のミニマリストが書いた本で

「テレビは麻薬と同じ。
スイッチを切ると、とたんに頭がクリアになり、
コンセントを抜くと、部屋の空気まで変わりますよ」

みたいなことが書いてあったけど、
静かな津雲邸にいるうちに
そのとおりなのかもと思えてきました。

わが家も久しぶりに火鉢を出して、
テレビを消して
静寂を聴いてみようと思いました。



▼幅や奥行きの妙で
外からは室内を伺えないように出来ている格子が
玄関をのぞむようにはめ込まれています。




しずくさんは、こちらの津雲邸が
一般公開を始めたころから何度もいらしているとのことで、
おかげさまで現在のご当主や奥様に
ひとつひとつ案内いただきながら
拝見することができました。

世が世なら、あたいなどお話していただくこともできないお方々。
ありがた~い贅沢な時間でした。



さて。
JR青梅駅へ戻るとしましょう。


▼青梅市の景観形成重要資源に指定されている
とんかつ森田屋。
1902年の創業当時のままだそうです。
近年では一人で切り盛りしていた店主のご隠居とともに
惜しまれつつ閉店したとのことです。














駅前のレトロなパン屋さんで
絶品の食パンを
しずくさんにお土産に持たせていただいて、
今日、一日の遠足を終えたのでありました。



▼こちらがあたいのカメラ熱にさらに火をつけた
しずくさんのマクロレンズ。



▼こんなふうに背景がボケてくれるレンズです。




「こんなふうに撮れるなんて!!」という感激を
ドシロウトのあたいに体験させてくれたしずく先輩の想いに
感謝いっぱいの2016年2月12日でした。


この日のことを
しずくさんもブログにまとめてくれました。
ぜひ、みなさんもご覧ください。

【小さな春街角】
http://sion920.exblog.jp/25368383/#25368383_1


あたいの写真と同じ場所を
しずくさんも撮っています。
素敵なのです。ぜひ見比べてくださいね。


5回にわたって書いた『カメラ遠足 青梅旅』もこれにておしまい。
お付き合い、どうもありがとうございました。



2016年2月22日月曜日

カメラ遠足(4)青梅市内、ランチ


(これまでのつづき)

なつかしい匂いの街並みは
古い記憶のごと、淡やかな色合い。





▼米と茶、柳屋さん。
お店の一番いい場所に水仙が誂えてあって。
生花が在ると、乾物のお店でも鮮度がよさそうだし、
きっとお店のかたもイイ人そう♪


どのお店も「古いだけじゃなく現役=老舗」なのが
この町のいいところ。ぜんぜん寂れてない。





▼円柱のポストも現役。久しぶりにみた。
この、赤すぎない朱色はまさに日本郵便の色だよね。

ハガキに印刷されている郵便番号の枠も
そういえばこの色だなぁ。



以前、実家の近くのポストが四角いのに変更になるときに
ママンが「いらないなら丸ポスト買い取りたい」って申し出たら
断られたそうでガッカリしてたけど、
そりゃ丸ポストだって現役なんだからダメだよねぇ(^_^ゞ



▼「油屋」という看板だけど食料品卸のようです。
右側のウチも表口が広いから元商店かな。





途中、老舗せともの屋さんで目をひくものがあり
この日、唯一のお買い物をしました。
これはまた後日に。




▼ぞーとすサロン? エメロード?

あとで調べたところ資生堂系のヘアサロンだそうで、
どうりで髪の毛モジャモジャのイラスト。

今の時代ならハ行やラ行の
フワフワ、ぱふぱふした名前のほうが女子ウケするけど、
昔は、濁音まじりの、薬品っぽい、
固い響きのほうが効果ありそうで人気だったのかも?






▼か、か、回春堂!?
もちろん昔は本来の「若返り」的な意味でつかわれていたのでしょうね。
いまや「回春」といえばマッサージかエステだけどねぇ(;^ω^)ゞ





▼出た、謎のキヨーレオピン!
(ちなみに「オードムーゲ」については解決済み→ ■ 





町中には昔風の映画看板のほかに
パロディ看板も掲げられています。

「ネコの町、青梅」を謳っていることもあり
ネコとからめたパロディがあちこちに。


『ALWAYS 三丁目の夕日』をもじった
『OLDAYS 三丁目のタマ』。



ネコ人間か?と思った一番右のヒトは
単に、剃り込みのお父さんでした(笑)
これからはM字ハゲのヒトはネコ耳に見えてしまうかも( 〃▽〃)


▼『ゴジラ』ではなく『ニャジラ』。弱そうでカワイイ。

右側の商店もイイ感じ♪
昭和ってストライプのデザインが多かったよね。(だよね?)

紙コップやらソフトクリームの持つところ(紙)やら
そこらじゅうストライプだった記憶がある。





▼『第三の男』ならぬ『第三の猫』、
『怪人二十面相』ならぬ『怪猫二十面相』。






▼こうみえて本物のバス停。
近くの電柱を木製に見立てて塗っているのがイイよね。



今どきは
SNSとかに素敵な写真が載れば
来場者数増加→経済効果アップよね。

群馬県にある世界遺産
『富岡製糸場跡』へ行ったときの
不満点はそーゆーところで、
ナイスビューポイントに
「トイレはこの奥」だの「自販機はあちら」なんて立て看板あったりしてねぇ……(^_^;)

「来場者アンケート」にいっぱい意見書いちゃった。
『観光地あるある』なんだろうけどさ。
センスないなぁーとガッカリしたけど
世界遺産になったことだし改善されたかなぁ?


その点、青梅市は
見せ方だけでなく魅せ方を知る
誰かがいるに違いにゃい!


ええ、その通り。
しずくさんもお知り合いの某氏が
なにやら一枚かんでいる、とか。


このあと、ぶらり立ち寄った
アンティークショップの素敵なご主人からも
そのお方の話題がでました。
青梅市でかなりの有名人のようです。


そういえば、今回歩いたルートに
マツキヨもマクドナルドも
コンビニもパチンコ屋もなかった。
たまたまかもしれないけど
なにか、住人の街づくりの意識が高いようにかんじました。




▼こんなガラス、今はなかなか手に入れられないよね。
似たような、ガラスに貼るビニールシートなら
ホームセンターにあるけど
本物は光がキラキラ動いてキレイ!





さて、お楽しみの お昼ごはん(*^。^*)




▼石造りの蔵を利用した素敵なお店!
ふだんのごちそう ダイニング&ギャラリー繭蔵





この日はテレビかなにかの撮影カメラも来ていました。



中は天井が高く、広く、見どころがたくさん。



▼しかも、とにかく美味しい。
手間のかかった一品があれもこれも。

旬の野菜を生かした御膳、ボリューム満点!(これ重要)



カブに海老のしんじょうが射込まれた一鉢が絶品でした。
この、葉の付け根の掃除が手間なんだよねぇ。


ジャガイモのコロッケは
あえて熱いうちにこねてマッシュしているようで
モチモチした食感。
コロッケはホクホクが信条だったあたいは
この新食感(?)にうなりました。うまい!


タマネギのキッシュも美味しかった!
初めて見る「生地なしキッシュ」でした。
うん、これなら手軽に家でも作れそう♪


お味噌汁はセリが入ってました。
栽培セリよりも、野ゼリに似た香りでとても美味しかったです。


ごはんは3種類から選べます。
(玄米、五穀米、ねぎじゃこごはん)

付いてくる「ごましお」が美味しくて。
ゴマそのものに塩気があったような?
単に「ゴマに塩を混ぜただけ」ではないような?
確認してないけど、もしかしたら塩が下にたまってない、かも?

これはもう一回、確認しに行かなきゃだわねっ!ヽ(^o^)丿




さて。こちらは市内で見かけたシーン。





▼昨年のこぼれ種から咲いたのでしょうね。




花一輪だったら、もしかしたら寂しそうにみえたかも。
たまたまとはいえ二輪咲いてるのが可愛らしい。

まるで、今日のしずくさんとあたいみたいよぉ~(*^o^)/\(^-^*)


よく言う「ド根性○○」とは思えず、
逆に、なぜか自然な景色に感じました。


そこへ種がたどり着いたから
自分がいまある場所で咲いただけのこと。


そんなふうに
あるがままを受け入れて
なんてことなく普通に咲く強さに惹かれました。


やだ、あたいったら、
しずくさんと一緒にいたら
心が美しくなっちゃったのかも! ファンタスティック!


(あと1回つづく)

2016年2月21日日曜日

カメラ遠足(3)稲葉家へ


カメラ遠足(1)青梅駅 と (2)竹林をぬけて のつづき。


マンホールも素敵な青梅市。
そもそも「青梅」っていう地名がもうイイよね~。
我が街「三鷹」という地名も気に入ってるけどね♪ 



あ、あとついでに「あきる野市」につづく町名もいいの。

「あきる野市草花」
「あきる野市野辺」
「あきる野市雨間」
「あきる野市乙津」とか。


……じゃない、青梅だってばー!(笑)




▼さてさて、お次は旧稲葉家へ。
江戸時代の豪商だそうで、瓦も贅沢にオリジナル。





▼くぐり戸を入ります。
高さも幅もない、ここを通るには
お侍さんは刀をはずし、頭を下げて入らねばならなかったのでは?
やるねー、稲葉家! 強気だねー、稲葉家!





しずくさんはもう何度も来ているので
案内員の方ともすっかり顔なじみ(#^.^#)

▼モノクロ写真みたい。タテとヨコ、黒と白、モダン!





▼神棚の、飾り欄間が
すっきりとモダーンなデザインでした。





▼ねー。洒落てるよねぇ。
普通は松の木とか鷹とかの
力強いTHE和の景色だったりするけどね。





▼格子の部分はカパッとはめ込み式になっていて。
冬は障子、夏は格子。合理的で北欧家具みたい。

豪商 稲葉さん、
きっとお商売も無駄なく、手堅く、キッチリしていたのでは?




豪奢な派手さはないけれど
それがかえって好印象です。





例えるなら
装飾的なフランス家具と比べて
牧歌的なイギリス家具、という感じかな?かな?
(只今、憶測で書いております)


掃除たいへんそうだけどね(;^ω^)ゞ










▼裏庭に梅が見えました。






貴重な古い硝子の、独特の歪み効果で
梅がゆらめいて見えます。






▼廊下をまがったところで、しずくさんが
「まめちゃん、下みてみて♪」と。






▼板の組み方がキレイでした。

「あ、以前、しずくさんの写真で見覚えがある......」

もしかしたら、しずくさんは
あたいが自分で気がつくのを待ったのちに
教えてくれたんじゃないかな (*´∀`)ゞthanx







▼裏庭に出て。





▼乙女椿、かな。一輪咲いてました。






▼アンティークな美しさの花がら♪





▼母屋の裏手には立派な「THE蔵」が。
1886年ごろに建てられたそうです。
2016-1886=130年前!





▼火事で一部焼けてしまったそうですが
燃えた柱を「あえて」そのまま意匠に残して復旧したとのこと。

どのくらいの火事だったのか判らないけど
これだけ表面が炭化している柱を活かせるということは
よっぽど立派な、密な木材を使っているのではないかなぁ。






▼L字金具は馬の手綱をつなぐ部分?
きっとお宝をどっさり運んできたのね \(*´∀`)/






▼梅と蔵の組み合わせが
とにかくキレイでウットリしました。





▼小さな隙間に、小さなクモの巣。

せっかく作った糸網のワナだけど
こんな小さな隙間じゃあ
なーんにも引っかからなそう。カワイイ(笑)




(あと2回くらい、つづく予定.... な、ながい!)