2019年8月28日水曜日

オーベルジュで信州ジビエ

信州・長野県へ行ってきました~

……去年の今ごろだけど(^。^;)~💦

ま、去年も今年も同じだよ、たぶん♪







(今日はいつもにも増して長文です)


急に行くことになった長野行き。

ホテルを探し始めたのもの2日前でした。

前年の反省(?)をふまえて
今回は絶対に料理の美味しい宿へ泊まりたかったので
全力で探して、速攻で予約。


1日3組限定の『オーベルジュ・エスポワール』

つまり、

おなかいっぱいになったあと
そのまますぐに
部屋でゴロゴロできるレストラン

それがオーベルジュ。

最高すぎる!(^o^)/










シェフ藤木徳彦さんは
日本のジビエ界の若き巨匠。

「仕入れたジビエ肉」「市場で選ぶだけの野菜」を調理する
都会のジビエではなく
地産地消スタイルに魅力を感じ、

ご両親を含めたご家族みんなで
生まれ育った東京から長野県茅野市へ移り住んで
信州ジビエを確立されたそうです。


猟師さんが仕留めた幸を
ご自身でさばきに出むき、勉強し、

数年をかけて地元の農家さんの信頼を得て
レストランにつかう野菜を作っていただけるまでになった開拓者、
本物のジビエ料理人です。


期待が高まります!




『地産地消の仕事人』として農林水産省のお墨付きシェフです。



▼信州あんずのスパークリングワインを食前酒に、スタート♪





▼オードブルは……なんだったかな、
さっそく思い出せないけど、
右はなにかのブラッドソーセージ。
小さな一口サイズだけど濃厚な味わいに
このあとの期待が高まります。





▼ソースっぽい柔らかさのリエット。





▼フランスの老舗ナイフメーカー
『ラギオール』のものを。さすが。




うぬ。

すでに確信を持ちました。

この行き届いているかんじ、間違いにゃい。


▼まずオードブルはツキノワグマのタルタルでした。
まったくクセも臭みもない、
繊細な味わいに逆にビックリ。

クマって獣肉臭がありそうなのにどちて?




添えられた木の実や果実をみて
ちょっぴりかわいそうな気持ちに。。。

きっとこんなの、美味しく食べて暮らしていたんだろうなぁ。
くまさん、ごめん。


▼こちらもツキノワグマのすき焼き。
といってもフレンチ風の味付けで
あっさりと美味しい。

臭みを消すために濃い味付けかと思い込んでいたけど
仕留め方や処理の仕方がいいのか
本当にまったく獣くささがないのが驚愕でした。





▼こちらは……イノシシ肉だったかな、
コラーゲン状の皮が楽しい弾力で
これまた非常に美味しかった。




付け合わせの野菜、
特に黄色いニンジンは香りが高くて。

こちらのシェフがお願いして
珍しい西洋野菜の栽培を
農家さんにお願いされているそう。

食味レベルの高い『信州やさい』は
今やブランド野菜として
日本中で人気があるそうです。



▼キジのコンソメスープ。
これは特に絶品でした。

丁寧で、クリアで、地味深いキジスープに
〇〇(あと少しで思い出せそう)の歯ごたえの楽しいキジ肉だんご。





▼メインのお肉料理へむけてお口直し。
はしりの信州あんずのソルベ。





▼鹿肉だったかな。
ゆっくりと低温で調理されたしっとり肉がうまし。





▼これは......真鴨だったかな。





▼キジ肉を、濃厚なキノコのソースが
エスプーマで軽く仕立ててくれて
これも美味しかったなぁ






▼クマに始まり、クマで終わる。
フルーツ煮とよく合っていて
肉の締めに相応しい余韻。





シェフからのサプライズプレゼントが登場!

▼なんでしょう♪ 楽しみ~





▼塩を効かせた小麦粉包みから出てきたのは
わぁ~あたいの大好きな野菜、ビーツでした!




▼これがまた絶品。
塩釜でじっくりと蒸されたビーツは
とても甘くて、香り高くて、あぁ美味しい。





▼帰宅後、すぐに真似して作ってわかりました。
低温でゆっくりと火を入れていくこの料理、
オーブン加熱に2時間近くもかかりました。

こんな時間のかかる料理
(かつ中身を確認できない料理)を
タイミングよく仕上げられるのもすごいし、

メニューにも載っていない
面倒な料理をわざわざ作ってくださったのだなぁ、と
帰宅後も感動の余韻に浸ってました~


(購入した藤木シェフのレシピ本から似たレシピを参考に作ってみた)


話をジビエ料理に戻し、

▼デザート。できたての温かさと冷たさを楽しんで。
こういう『温度が肝』な一皿を
いいタイミングで提供できるのもまた
料理人の腕のうちであります。





あ、この日、ワインは
近年評判が上がり続けている
信州ワインをオーダーしました。


赤は塩尻ワインで(写真なし)、

白はなんと『城戸(きど)ワイン』登場!

今や抽選でもなかなか手に入らない
日本で最も手に入れにくいワインの1つという
『城戸ワイン』を出していただけました。




……といっても最初はこのワインの真価を知らず、
あとから貴重なワインだと知ったんだけどね。


ただ、一口飲んだときに、
「フレッシュな味わいなのに
ヴィンテージのような樽っぽい香りも醸している」ことに
おっ?これは?と先に気づいたあたいも
なかなかデカしたもんだと自画自賛、嬉しくなりました。

ド素人が偶然一発当てたことを自慢しております!


なんでも、こちらのオーベルジュでは
城戸ワインが入手困難になる以前から
ワイナリーを高く評価しておられたご縁で
特別に仕入れできるのだとか。



ソムリエの資格を持つ友人(通称:店長)から後日、

「城戸ワインを出してもらえたなんて
よっぽどワイン通だと思われたんじゃないの?」
と言っていただけたけど、

お席に着いたときに正直に
「ワインのことはほとんど知らないのでお任せします」
とお伝えしたドシロウトの我が家です。


貴重な城戸ワインを
こんなドシロウトに惜しげもなく出して下さったのだなぁ

たしかにドシロウトにもわかる美味しいワインでした。

セレクトしてくださったソムリエさんに
改めて感謝です。



▼お店のサイトから拝借。
地下にはこんなに立派なワンセラーがあるオーベルジュです。
ワイン通のかたもきっと満足されると思いますよん。
http://www.auberge-espoir.com/wine_cigar/wine/winecellar/




もう少しいただきたかったので
お任せで赤をもう一杯。

▼ベリー感のあるワインを選んでいただきました。食後にピッタリ。




ワインはどれも値段も尋ねずに
お任せしたセレクトだったけど、

翌日、チェックアウトのときに
かなりお安く出していただけたことが判明。

お料理の格にあうような
お値段がつくと覚悟していたので嬉しい驚きでした。


オーダーしたときに
あえて値段のことを伝えてこなかった気遣いも嬉しかったですねぇ。

こちらをちゃんと立ててくださってるのだなぁ、と分かります。


だって「このワインは〇〇円になりますがよろしいですか」なんて
いちいち確認されちゃうと、

「お客様のお財布が薄そうなので」とか
「お客様が支払いにケチつけるような人に見えたので」と
心配されているようで惨めだもんねぇ('◇')ゞ


もっとも、料理も接客も中途半端な店だったら
あたいだって「おいくらですか」って確認するけど
こういうちゃんとしたお店は
変な代金を吹っかけてくることはまずないので
安心してお任せしたいものですな。





そうそう、藤木シェフの実のお母さまは
セルヴィーズ(マダム?)として
気取らずにお話上手に盛り立ててくださって
とってもチャーミングな方でした。


なんと、長野へ越してくるまでは
ずっと三鷹市で洋品店をされていたそうで
さすがピシッと、姿勢の良いモダンな御姿です。

「Jマート(ホームセンター)が無くなっちゃったんですよ」
「ええーっ、どうして! あのお店、大好きだったのに!」


マダムと話が盛り上がる~
(ありがとうJマート)


あたい達のほかのテーブルは
どこぞのお医者様のグループ(話で判明)と
別荘に滞在中の、食事だけのグループのようで
落ち着いた方々の静かな華やぎで雰囲気がよかったです。


2時間半ほどの時間を
ずっと美味しく、楽しいお話で、気分良く、
すべてタイミングよく、心地良くすごせました。


あー、おなかいっぱい。

▼レストランの2階にあるお部屋へ。
オーベルジュ、最高!




部屋に戻ってからも
ダンナと美味しかった料理の話で盛り上がります。


ジビエって、シカやカモくらいは戴いたことがあったけど、

野生のクマイノシシなどは
「ケモノ臭いのでは?」 
「筋ばっていて固いのでは?」
「濃い味付けで、煮込み料理ばっかりかな?」

というイメージだったけど
まったくくつがえされました。


牛肉の『肉汁=脂』のような
くどさや臭いがまったくなくて、

『肉汁=コンソメスープ、出汁』のように
雑味の無い、クリアでキレイな味なのは

もちろん管理や調理にもよるだろうけど、

飼料エサの畜産ではなく
自然の木の実などを食べているからなのかな?


いや、実はさー、
宿泊の当日になってふと
「そうか、ジビエ....... えーーっ!
食べられなかったらどうしよう!」
ということに急に気付きまして。


食用ガエル活きづくりのお店とか
スズメや鳩とか
昔はフツーに平気だったんだけど、


犬くんが亡くなって以降、
肉食がストップしてしまった我が家だったので、


生きもの......特にジビエ(野生)は畜産以上にムリかも?
ということに当日気づいてしまったのでした。


予約のとき「カラスはNG」をお願いしたのが
せめてもの頼みの綱。

と、実は少々弱腰ぎみで挑んだのだけど
なんの、なんの、
やっぱり美味しいものは
思想を越えるパワーがありました(;^ω^)ゞ

(あ、現代にそぐわない
虐待フォアグラなどは今後も絶対にいただきません)


シニアソムリエであり、接客をして下さった
メートル・ド・テルの野村さんのことを少し。

お皿を出してくださるときのお話や
接客が感動的に素晴らしいのです。

あまりにへりくだりすぎる店員さんでは
小バカにされているようで苦手だし、

そうかといってウンチクばかりでも一方的過ぎて楽しめないし、

という小難しい客なのかもしれないあたいなんだけど

野村さんには
なにをとってもすべて
そのつど唸らせられてしまいました。

うちのようなドシロウトのお客でも
ちゃんと対等に接してくださるというか、

料理に添える小話やうんちくも
「そんなにもありがたいお品でござんすか」と
客をビビらせるものでなく、

よりお料理を楽しめるような話の添え加減が
おみごとなのです

プロフェッショナルの仕事だや~
(๑´ω`ノノ゙✧


公式HP内にある野村さんのページのお話、

中でも、ソムリエを目指し始めたきっかけになった
藤木シェフとのお話、vol.23はおススメです

 支配人野村からの ~ささやかな幸せ~ 



さて。

オーベルジュ・エスポワールは
地産地消を実行してる
本物の「信州ジビエ」のお宿でした。


妥協のない本格的なお料理、
くつろぎながら食事できる雰囲気づくり、
清潔なお部屋、
気持ちの良いスタッフ。


今度はぜひ各種そろう
晩秋にジビエりたいです。



自分でも読みかえすのがおっくうなほど
長々と書いてしまいました。

同じこと2回書いてるとこあったらめんごね。


翌日の朝食については次回(*^-^*)